林床テフラ考

林床テフラ考
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東三郎

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痩せた荒れ地に樹木が育つという常識はない。畑の作物栽培と混同した偏見である。とは言っても、経験のない人の認識を変えることは甚だ難しいことである。第一研究者、教育者で、自ら苗木を作って山に植え、樹林になるまで長年観察した人はいない。これでは聞く人に正しく伝わるはずがない。空理空論の世界である。昭和新山は1945年に生成し、70余年たって溶岩ドームを残して樹林に覆われている。この山はテフラと言う火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)の貧栄養土である。しかし高木のドロノキが勢いよく育っている。日本列島は第四紀後期の広域テフラに厚く覆われている。そのテフラの上に昔から樹林が形成されている。不思議なことに、植物学、生態学、林学の世界に、テフラに関する知識はない。土地のないところに樹木は存在しない。そこで独自の方法で、テフラを構成している火山灰、軽石、火山ガラスを識別し、テフラと樹林成立の関係を探った。森の成り立ちについては、根底から見方を変えなければならないことになる。5.24.2017 東 三郎

ジャンル
趣味・実用
出版社
IMS森づくり研究所
提供開始日
2017/06/23
ページ数
84ページ

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