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愛木灯菓
“契約”。それは、人間と妖怪の間に交わされる、“生死をともにする”という誓い。一条綾文(あやふみ)はある目的のため、祖父である吉野が住む遠野村(とおのむら)に赴いた。ところが、案内役にして吉野の弟子である弥凪(やなぎ)に「吉野は半年前に死んだ」と教えられる。ショックのまま足を踏み入れた遠野村一条邸にて、銀狐を拾った綾文。うっかりススキと命名してしまったが、なんとススキは三千年生きた妖狐であり、一条邸の守り神(屋敷神)でもあった!妖怪に名づけることは契約をするということ。ただし血を与えなければ不成立と知り、安心したのも束の間。ススキだけでなく、妖怪の血を半分引く弥凪にまで契約を迫られる。一方で、烏天狗(ワサビ)が「首領を助けてくれ」と駆けこんできて……!?「妖怪が実在するとか聞いてない!」などと叫んだところで時すでに遅し。綾文少年と妖怪たちの幻想譚、開幕。
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