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宮本研
波乱の時代を「死ぬほど生きた」伝説の人々がいた ■伊藤野枝、平塚らいてう、島村抱月、松井須磨子、小山内薫、一時代を駆け抜けその名を後に残した人々が、リアルな、希有でしかし普通に懸命に生きた人間として描かれる。幕切れ近くクロポトキンこと大杉栄が言う「ベル・エポック。この大正という時代、のちになったら、みんながそういうだろうね。…のどかな…じれったいほどのどかな、美しい、いい時代だったとね。…つらい。…何が、よき時代なものか」という台詞が哀切だ。【著者】宮本研:1926年、熊本県生まれ。父が北京総領事館に勤務し、一家で移り住む。北京日本中学を卒業し、44年、帰国。戦後、九州帝大法文学部経済科に入学し、演劇部に所属。大分商業高校(現・大分第二高校)で教鞭をとり、演劇部を設立して指導、1年余りで辞職。52年法務省に入り、10年間、勤務。自立劇団「麦の会」を結成し、57年、サークル劇団「麦の会」のために「僕等が歌をうたうとき」を執筆。労働者自身による自立劇団の再建の担い手となった。「明治の柩」で芸術祭奨励賞脚本賞を受賞。1988年逝去。
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