鬼譚

鬼譚

長尾誠夫

1,223円(税込)
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明治39年。新進作家・神忌鏡多郎の下に、歴史雑誌から鬼伝承について書いてほしいという依頼がある。鏡多郎は鬼伝承を調べるうちに、友人の民俗学者・二宮聡(東京帝国大学文学部教授)が明治政府の要請によって奇怪な研究に着手していることを知る。その研究とは、日露戦争に勝利するために“崇徳院の怨霊”を甦らせることだった。 二宮は様々な文献から、崇徳院が食人によって特殊な能力を持ったことを論証する。明治政府はその研究をもとに丹沢の研究施設で“崇徳院”を作り上げるが、強大な存在となった“崇徳院”は研究員を粛清し、施設を支配する。二宮聡は生成された“崇徳院”を抹殺するべく、丹沢山中の研究施設に潜入し、その動きを知った鏡多郎も丹沢に向かう。折しも近辺の村は夏祭りの最中で、大勢の村人が小学校に集まっていた。この世を支配しようとする“崇徳院”は、餓鬼と化した研究者を放ち、自らの存在を知る村人を抹殺しようとする。夏祭りは阿鼻叫喚の地獄と化し、村人たちは次々と餓鬼の餌食となる。やがて“崇徳院”は全貌を表すが、それは想像を絶する恐るべき存在だった……。 怪奇性や幻想性だけではなく、民俗学や大脳生理学といった衒学的要素に加えて、様々な人間ドラマを織り込んだ重厚かつ文学的なホラーミステリの傑作。

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