森林現象説 昭和新山樹林成立

森林現象説 昭和新山樹林成立
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東三郎

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新しい山に新しい森ができた。こんな現象は滅多に起こらない。北海道壮瞥町の昭和新山がその一つだ。森に興味を持つ人は誰でも、森の始まりが気になるだろう。森のことは各地でいろいろと語り継がれているが、森の始まりを知っている人はいない。地元の三松正夫氏が新山誕生をミマツダイヤグラムに遺し、生成後10年間の植生を記録した。次いで壮瞥高校の小松教諭も植生を調べた。いずれも裸山で、植生は極めて貧弱だった。筆者は、砂防工学的見地から、山の浸食現象と植生回復の関係を観察した。新山は国の天然記念物で、山腹に手を加えることは許されなかった。しかしこれが、浸食作用を知る現場として貴重であった。火山の噴出物に直接樹木が自生するという常識はない。またそのような条件で、植栽木が育つことにはならないが、事実は全く逆であった。今では濃い緑に包まれて、目まぐるしかった地表変動の面影はない。70年の経過を振り返り、10年ごとに概観すると、裸地・点生・散生・群生・密生・混生1・混生2となる。この変遷を森林現象説の名においてまとめ、森林再生の基礎にした。2016.9.7 東 三郎

ジャンル
趣味・実用
出版社
IMS森づくり研究所
提供開始日
2016/09/15
ページ数
134ページ

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