金融恐慌 1907―米FRB創設の起源とJ・P・モルガン

著:ロバート・F・ブルナー 著:ショーン・D・カー 訳:雨宮寛 訳:今井章子

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    『The Panic of 1907』の日本版(邦訳は『ザ・パニック――1907年金融危機の実相――』)が2007年に出版された。本書はそれを復刊したものである。大恐慌とくれば1929年大恐慌が有名だが、1907年の金融危機はその危機の広がりや不況の深さにおいて1929年に勝るとも劣らぬものだった。 またノーベル賞経済学者のポール・クルーグマンが述べているように、1907年金融危機は2007年のサブプライム金融危機と非常に類似している。2007年危機と同様に、1907年危機も米国が震源の世界恐慌であったこと、資産価値のバブル的な上昇ではなく複雑な金融商品が危機の引き金であったことなどが主な理由だ。いまでもサブプライム金融危機の後遺症に苦しむ世界経済だが、1907年の経験から多くの教訓を得られることは間違いない。本書は様々な読み方ができる。まず、アメリカの金融史、あるいはアメリカの金融制度論として読める。また1907年金融恐慌の詳細なドキュメントとして読むこともできる。さらに金融恐慌の要因を分析した金融恐慌論としても可能だ。サブプライム危機との比較で読むこともできる。 本書は1907年の金融危機の詳細なドキュメントである。そこに含まれている教訓は今でも生きている。「大規模な金融危機は、投資家や預金者が警戒心をもって反応してしまうような独特な力、つまり、市場を襲う完璧な嵐(パーフェクト・ストーム)と呼ぶにふさわしいエネルギーが一点に集中することによって発生する」という指摘は傾聴に値する。現在の世界経済の状況を見ると、金融パニックはいつ起きてもおかしくないのではないかと思わざるを得ない。

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