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パンカジュ・ゲマワット
グローバル化や技術の進展により、地理的な境界は消滅し、市場は統合され、政府ももはや無意味になるように思われていた。しかし、金融危機以降の保護主義や分離主義、部族主義の高まりは、グローバル化という概念が新たな段階を迎えたことを示しているようである。実際、多国籍に展開する企業であっても、深く根を下ろした「本拠地」がある。また世界の多くの人は、自分の生まれた国を離れることはない。こうした現実を筆者は「ワールド3.0」と呼んでいる。これは、民族国家がそれぞれ存在している状況(ワールド1.0)から、無国籍を理想とする考え方(ワールド2.0)を経て、自分のルーツや独自性を把握したうえで、相対的な類似点・相違点を認識する世界へと進化したのだ。グローバル化の転換点を迎え、筆者はコスモポリタン企業になるための知見を述べる。まず現在の状況を理解し、そのうえで戦略のあり方を考え、組織の設計、リーダーの養成を進めるのだ。ワールド3.0においては、自分のルーツを持ったコスモポリタニズムこそが有効である。*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2012年5月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。
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2024/07/31 23:59 まで有効