漂う 古い土地 新しい場所

黒井千次

1,408円(税込)

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    老境に入ったベテラン作家が、自身ゆかりの土地を訪ねながら来し方をふり返り、自らの人生と対話する。懐かしさと希望に充ちた珠玉のエッセー。<目次>プロローグ記憶の光景と目の前の眺め大久保通り身の奥から浮かぶバス通り国分寺街道門だけが残っていた丸の内商店街にいるような新宿環状線の内と外井ノ頭通り玉蜀黍畑に飛びこんだ日日比谷公園ある年、ある時間の熱都心の夜景色彩のドラマの底に箱根・精進ケ池最高地点から少し下って京都市学校歴史博物館ひんやりした冷気とともに下田忙しい港町目白開かれなかった卒業式大阪・通天閣地面から持ち上げる力横浜遠藤さんと祖父に会いに小渕沢緑の中のポップアート小樽鴎と鴉が飛ぶ御宿旅の駱駝がはるばると多摩川手元に残る「入漁證」長野・上林温泉疎開児、地獄谷を行く長野六十年ぶりの「帰省」前橋ただ川だけが流れる熱海凋落の影の中に静岡変らぬものは何もなく名古屋・東山動植物園ライオンが跳んだ日新潟古い煉瓦塀と光の海高尾山昭和生まれの猿隅田川西瓜ばかり食べていた羽田空港国際便、ふたたび川越遠くにある隣家仙台モノクロームの海辺神戸急な長い坂道の先に高松未知なる故郷へ広島歴史に屹立するドーム長崎暮色を背にして有田焼物の世界の近くに立つ東京駅人と時間が戻る場所あとがき

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