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著者:大櫛陽一
日本では、血圧が「130」を超えると高血圧とされる。だが、この数値は絶対的なものではなかった。例えば2014年4月、日本人間ドック学会が発表した基準値では、「147」までが正常値とされた。このように血圧の基準値というのはいくつも存在しており、それら基準値の中でも130というのは「低め」の設定なのである。では、なぜ、基準値はいくつもあるのか?そもそも血圧とは、年齢別で考えるべきものである。同じ成人でも40歳と80歳をひとつの基準で括るのは無理がある。血管は年齢とともに柔軟さを失っていくので、年長者になるほど高い血圧で血液を流れやすくしている。それを、130という低めの基準値によって「高血圧」に該当させてしまうと、年長者に必要な血圧をも降圧剤で下げることになる。その結果、薬で血圧を下げた人ほど脳梗塞になりやすい、という研究・調査も確認されているほどだ。なぜこうしたことが起きるのか。どう対応すればいいのか。本書はこうした「血圧130の常識のウソ」を説き、高血圧とは何かを全36話で学ぶものである。大櫛陽一(おおぐし・よういち)1971年、大阪大学大学院工学研究科修了。大阪府立羽曳野病院、大阪府立成人病センター、大阪府立母子センター、大阪府立病院などを経て、1988年より東海大学医学部教授。2012年より東海大学名誉教授。2006年、日本総合健診医学会シンポジウムで、全国約70万人の健康診断結果から、日本初の男女別・年齢別基準範囲を発表するなど精力的な調査、研究に定評がある。大櫛医学情報研究所所長
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