息子の唇

息子の唇

内田春菊

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彼に抱かれると、自分の体をはっきり意識し、私は生き物としての自信を取り戻す。一緒に暮らす前からそうだった。思いやりと体力のある、確実なやりかた。だから私は、不安になると彼を抱きしめてしまうのだ。(「長い影」)永い虚しい日々のあとにおとずれた穏やかな時間。私のなかで、彼のからだは水を跳ねる魚のようになる――。「水の作家」内田春菊が描く生の渇きと潤い。十一の短篇。

ジャンル
文芸
出版社
KADOKAWA
掲載誌/レーベル
角川文庫
提供開始日
2014/07/04

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