
薬指にこめた祈り
愛のないプロポーズなのに、胸の高鳴りが止まらなくて……。看護師長のサラは恋人にふられて落ちこんでいた。そんな彼女に、ある日、意外な人物から声がかかった――顧問医のドクター・フーゴ・ファン・エルフェン。フーゴの下で働き始めて3年になるが、彼はこれまで一瞬たりともサラに関心を示さなかった。もちろん今回も、入院患者のケアを手伝ってほしいと頼まれただけ。ところが数日後、サラが勤務を終えて帰ろうとしたとき、フーゴに呼び止められ、驚くべき申し出をされる。「僕と結婚してくれないか?」息もできず呆然と立ちつくす彼女に、彼はほほえみもせずに続けた。「友情以上を求めはしないよ」
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