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著:福井・新田塚郷土歴史研究会
これは歴研究学習史料集であって、歴史研究書ではなく、歴史小説でもありません。普通の市民が歴史に気楽に触れられることを願って、編集しました。南北朝時代に後醍醐天皇の理想の実現に奔走した武将、新田義貞の越前での事跡を中心にまとめたものです。福井・新田塚郷土歴史研究会の会員が、研究調査したものや、随筆を中心に編集しました。一部既刊の書籍、雑誌の中から、関連項目を転載しています。日本史の中で「南北朝」と区分される期間は、わずか六〇年程度にしか過ぎません。でも、鎌倉幕府から室町幕府へと武士階級間の権力移行だけでなく、そこには時の天皇が政治権力を奪取し、平安時代の律令政治の理想を追求した激動の時代でもあったのです。他の時代の権力移行は武士階級間の武力闘争に勝利した者が権力の座に着き、幕府を開きました。南北朝時代は、時の天皇が歴史の主人公として表舞台に登場し、後の歴史に多くの影響を与えました。また、武士階級を主体に神社勢力、寺院勢力はおろか、皇族、皇統まで二派に分かれ熾烈な権力闘争を繰り広げました。そうした中、越前の各地で雌雄を決する武力闘争、即ち戦争が繰り広げられました。越前の状況が日本全体の政治状況を左右する重要な地となりました。南北朝対立の様相を地方史の立場から眺めましたが、それは中央政治の状況と連動して考える必要があります。狭い範囲の郷土史に終わることなく、日本史全体の位置付けをしながら、参考にできることを願っています。
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越前の新田義貞考・上巻
539円(税込)