シューボコ

シューボコ

原作:一色伸幸

513円(税込)
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シュー、ボコボコボコ。シューと吸って、ボコボコと泡にして吐き出すエアの音。それはダイバーだけが感じる、生きている証。初夏。病床にある作家の津川治夫。自分の命に不安を感じる彼は、彼が愛した海中の世界を、愛する妻と息子に遺そうとペンを取る。そして初冬。津川が妻・陽子に遺したのは、「シューボコ」というへんてこりんな題名の原稿だった。ページをめくると、そこには陽子の知らないもう一人の夫、津川ジタンの生き生きとしたダイビング物語が綴られていた……。※「彼女が水着にきがえたら」を始め、数多くの作品を手がけ続ける脚本家・一色伸幸さん。「潜りに行く機内やホテルで読み、ダイビングへの期待を上げてくれる小説を読みたいのだけど、存在しない。では自分で作ろう」という思いから誕生した、ダイバーを主人公にした日本初のダイビング小説「シューボコ」。テーマは“出会い”。海の中にいるのは1日のうち2時間足らずだが、ダイビングは集まる人たちとの出会いがおもしろい。職業も年齢も性別も関係なく、潜って飲んで語り合って。そして、時に恋に落ち……。潜ることは、出会うこと。5年間で328本。一色さんがダイビングを通じて出会った人たちが各話の原案。主人公が“死”に直面するところから物語は始まるにもかかわらず、各話はダイバーたちの小さい物語。内容も決して重くなく、キュンと胸が締め付けられるような読後感が残る。そして、各話が積み重なり、根底に流れる“死”のテーマは、海のような深みをもって、“生”に帰結していく。ブリーフィングはここまで。さあ、海と人の物語に潜降の時間です。

ジャンル
文芸
出版社
博報堂
提供開始日
2013/02/08
ページ数
308ページ

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