さよならの笑顔

愛理とアキラは夏休みの間バイトして一泊で遊園地に行こうと計画していた。母子家庭でお金に余裕のなかったアキラが遊園地に行ったことがなかったからだ。「うんと遊ぼうね」二人でそう言って遊園地に来たはずなのに、いつの間にかアキラの姿が消えていた。必死に探す愛理の前に見知らぬ青年が現れる。「彼はここへへ来てないよ」うそ！一緒に来たもの、一緒にバイクに乗ったもの……。愛理が思い出したのはひっくり返ったそらと目の前のアスファルト。あたしたち、事故を起こして……！この遊園地はなんだろう、あたしはどこにいるの？アキラはどうしたの？そんな愛理に青年は告げる。「彼に会いに行くかい？」青年が案内してくれた場所は病院……。アキラはどうしたのか、そして青年が迫る決断は？切なく愛しく、やがて温かい涙が。側にいる人を抱きしめたくなるハートフル純愛小説。