危険な合宿

テニスサークル恒例の合宿。厳しさと無縁の合宿にはお楽しみがいっぱい。そう今日だって近くのプールに行ってきたし。でもそのプールで同期でお調子者の滝沢くんがあたしに抱きついてきたってマサヒロが嫉妬してきたの。「おまえがへらへらと誰にでもいい顔をするから………気が気じゃないんだ」マサヒロはあたしの肩にあごを乗せて不満げに言った。「なに言ってるの」「真に受けておまえにちょっかいかけてくるようなやつがいるんじゃないかって」「そんな物好きはマサヒロだけよ。知美や竹内先輩の方が美人じゃない」あたしは苦笑してマサヒロの髪に手をすべらせた。短く切られた髪は、見た目より柔らかなことをあたしは知っている。指をふわりと受け止めるその感触はマサヒロの愛しい部分のひとつだ。「心配しなくても………あたしはマサヒロのものよ」