インマイライフ’79

1979年。24歳のエンジニアだったユキヒロは、ほんの遊び心から自分が聴くだけのために携帯用ステレオを作った。出来たばかりの恋人にそれを聴かせたところ、彼女は目を見張り感動した。恋人だけではなく、一度それを試した会社のだれ彼が大絶賛し、やがて役員の耳に……。そして、会社としての商品化プロジェクトチームがスタートした。だが完成した『ウォークマン』は少しも売れない。恋人とも連絡が途絶え、失意のユキヒロは故郷の軽井沢へ帰る。そして軽井沢のロータリーで出会った風変わりな白人は……。『ウォークマン』の開発秘話に絡んだ、79年のグラフティーが織りなす恋愛、企業小説。